
ネット銀行へ完全移行したいけど、本当に大丈夫?
最近、地元の企業経営者の間で話題になっているのが、某地方銀行のオンラインサービスが有料化されるというニュースです。月額5,500円の手数料が発生することになり、「そんな余裕はない!」と多くの中小企業や個人事業主が戸惑っています。実際、月5,500円あれば、もっと有益なサブスクリプションサービスを契約する方がよほどビジネスに役立つかもしれません。
この事態を受けて、「もうネット銀行に一本化したほうがいいのでは?」と考え始める経営者も増えています。
しかし、本当にそれで問題はないのでしょうか?私自身の経験をもとに、ネット銀行への移行を考える際のポイントを整理してみます。
私のネット銀行利用経験
私が法人化した際、最初に契約したネット銀行は PayPay銀行 でした。
その理由はシンプルで、「固定電話番号が不要だったから」です。携帯電話だけで十数年、ビジネスも生活も問題なく過ごしてきたので、銀行口座を開設するためだけに固定電話を契約するのは合理的ではないと判断しました。
その後、北國銀行とPayPay銀行を併用しながら2年間運用してきました。
今回の有料化の話を受けて、自社の銀行取引を改めて洗い出してみたところ、北國銀行を利用していた主な用途は以下の4つでした。
- 社会保険料の自動支払い
- 給与支払い
- 源泉税・法人税などの支払い
- 融資返済などの手続き
これらの取引をすべてネット銀行に移行できるのかどうか、具体的に検証してみました。
ネット銀行の課題と解決策
1. 社会保険料の自動支払い
「ネット銀行に移行すれば手数料も不要でスムーズ!」と思っていましたが、ここで意外な落とし穴に気づきました。
社会保険料の自動支払いに対応しているネット銀行が 意外と少ない ことが判明したのです。
当初、住信SBIネット銀行で口座開設の手続きを進めましたが、後から「社会保険料の自動支払いに対応していない」と知り、急遽GMOあおぞらネット銀行の審査を申し込みました。現在、審査結果待ちですが、もし通れば PayPay銀行とGMOあおぞらネット銀行の2行体制 にする予定です。
2. 税金の支払い(法人税・源泉税など)
これまでは北國銀行の窓口で通帳を提示しながら税金を支払っていました。しかし、電子申告(e-Tax)を活用すれば、ネット銀行でも税金の支払いが可能です。ちょうどこのタイミングでe-Taxの手続きが少し簡単になったこともあり、「これを機に完全移行しよう」と考えています。
3. 給与振込や融資返済
給与振込については、多くのネット銀行が対応しているので大きな問題はなさそうです。ただし、融資返済に関しては、金融機関によっては特定の銀行口座での引き落としを求められることがあるため、事前に確認が必要です。
ネット銀行移行で感じたメリット・デメリット
◎メリット
✅ 固定費削減 → 月額5,500円の手数料が不要
✅ オンライン完結 → 振込や決済がスムーズ
✅ PC、スマホで完結できる → 銀行窓口に行く手間がなくなる
✅ 振り込み手数料が安い
✖デメリット
❌ 社会保険料の自動支払い対応銀行が少ない
❌ 一部の手続き(税金支払いなど)は慣れが必要
❌ 既存の銀行口座解約が面倒
特に最後の「銀行口座解約が面倒」という点は大きなストレスでした。「解約したいです」と伝えるだけでは終わらず、書類の提出や手続きが複雑な場合があります。
地方銀行のデジタル化は本当に便利なのか?
北國銀行は昨年、華々しく「デジタルバンキングへの移行」を発表しました。しかし、スマホアプリが登場したものの 認証にしか使えず、実際の取引はPCブラウザから という仕様だったため、「これって本当にデジタル化?」と疑問を抱かざるを得ませんでした。
今回のオンラインサービス有料化の流れもあり、改めて 本当に使いやすいデジタルバンキングとは何か を考え直すきっかけになりました。
これからの銀行選びのポイント
✅ 手数料が発生しないか確認する → 固定費削減のために重要
✅ 社会保険料・税金の支払い対応をチェック → 自動支払いが可能か
✅ スマホアプリの利便性 → PCが必要な銀行は意外と不便
✅ 解約手続きの難易度 → 事前に確認しておくとスムーズ
ネット銀行へ移行したいけど、不安がある方へ
「ネット銀行にしたいけど、やり方がわからない」「どの銀行を選べばいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか?
私自身、実際に移行を進める中で様々な課題にぶつかりました。
しかし、一つずつクリアしていくことで、よりスマートな金融管理が可能になりそうです。
もし「ネット銀行への移行を考えているけど、何から手をつければいいのかわからない」という方は、お気軽にご相談ください。あなたの状況に合ったベストな選択を、一緒に考えていきましょう。